第1回例会開催
日時:2003年10月29日 19時
場所:ワイン・洋酒専門店 ワインクレージ(京都市中京区西大路烏丸上ル)
参加者:約20名
京都スローフード協会・レンテッツァ あゆみ
2002年春 藤本氏、徳力氏、大学教授など発起人5人が発足を目指し呼びかけを開始
2003年春 イタリア・スローフード協会本部に認証取得を申請、認可を得る
2003年8月 京都スローフード協会・レンテッツァ発足
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藤本会長のご挨拶
京都市内で3つの幼稚園を経営されている園長として、”食育”への関心はとても高く、これまでにも子供と保護者を巻き込んだ取り組みを色々されています。今回はその経験を基にお話下さいました。
その経験とは、アドバイザーの嵐山吉兆の若主人、徳岡邦夫さんに協力してもらい、有機栽培で一つ一つ丁寧に作っている野菜と一般のお店に並ぶ野菜の味比べをしたときの話。「明らかに野菜の味が違う。丁寧に作っている野菜は、野菜の味がして本当に美味しい。」素直に感想を伝える子供の様子に、「食の大切さを知り、体に良い食べ物を自分で選べるような自立した人間」に育てることこそが、今の大人がすべきことであり、食を通した”食育”が教育において重要なテーマになることを、改めて再認識したという。
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ファーストフードに慣らされている子供たちに、素材の顔・作り手の思いが見える料理を教えていくことこそが、地方独自の食文化を守るという「スローフード」の考え方を実践していくことになるのだろう。
日本では、「食育」の分野において、欧米に比べはるかに立ち遅れているのが現状です。「食べることの大切さ・楽しさ」を、如何に子供たちに教えるか。そういう気持ちや雰囲気を育てていくために、大人は何をすべきなのか。子供と一緒にどんなことを感じ、伝えていけば良いのか。
欲張らずに、始められそうなことから、焦らずスローに、しかし、着実に。京都スローフード協会レンテッツァとも足並みを合わせながら取組んで行きたいと、熱く語って頂きました。
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日本東京スローフード協会会長、小黒氏の挨拶
この発会に際し、東京の日本東京スローフード協会よりわざわざ起こし頂きました小黒氏より、イタリア本部でのスローフード教会の成立ち、取組等についてお話を頂き、乾杯の音頭もとって頂きました。
1986年、北イタリアで生まれたスローフード運動。現在、その運動は世界50カ国へと広がり、8万人以上が参加している。そこにあるものは、人生を楽しむためのフィロソフィーであり、食についての教育や農産物資源などに目を光らせ、また消費者教育も行うというもの。また、正しい食のあり方を問うだけでなく、観光などを歓迎しながらも、環境への配慮も併せて取り組んで行くという、トータルな運動でもある。出版などにおいても、食について、ただ美味しいものを探すと言うことでなく、様々な角度から積極的に掘り下げるなど、これらの目的のために全世界で幅広い活動が進められていることをお話頂きました。
また、イタリア本部では様々なイベントを推進しており、昨年10月にイタリア・トリノで開催された「サローネ・デル・グスト」(96年から隔年開催、2002年は4回目の開催)では、展示参加者は80カ国500以上に上り、15万人が集まる国際的な大イベントとなっていることなどのお話もあり、スローフード運動に参加することで、国際的に郷土を紹介できる方法があることも改めて納得しました。より情報を得たい方、「サローネ・デル・グスト」へ参加したい方は、この機会にスローフード運動に参加してみるのも一案かもしれない。また、今年はイタリアで発行されている雑誌SLOWの日本語版も刊行されるとのことで、より身近に世界各国でのスローフード運動の活動内容を知ることができるようになることと思います。
11月6〜9日にNaples(ナポリ)で開催される4th International Congressにも参加されるとのことで、食育の分野で先進国の取組みを実際に見、肌で実感されている小黒氏の話は、とても興味深く、今後の京都スローフード協会レンテッツァの活動にも大いに参考になりました。
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京都嵐山吉兆の徳岡邦夫氏によるキックオフスピーチ
有名日本料理店吉兆の嵐山の主人であり、今や日本を代表する料理人として、また文化人の第一人者でもある徳岡氏に、キックオフスピーチとしてお話をして頂きました。
京都スローフード協会レンテッツァのオフィシャルアドバイザーで、京都スローフード協会レンテッツァが発足する前段階における活動として、嵯峨幼稚園、母校でありますノートルダム小学校で「食育」に関連する講演をされるなど、積極的に活動されています。
吉兆では、市販の醤油や味噌を使うのではなく、生産者を訪ねて、話し合いながら、店で使うためのものを作ってもらっています。時間と手間はかかるけれど、そのほうが吉兆としての特色を出すことになります。また、生産者の方々と直接やりとりすることで、吉兆に見合った優れた食材を京都に限らず日本各地から取り寄せることが出来ます。京都の農家から直接仕入れる野菜の値段とスーパーで売られている野菜の値段に差はあるかもしれないし、ないかもしれない。ただ、よりよい食材、吉兆の特色を出せる食材は、顔の見える生産者を求めてどん欲に探索し続けなければ決して出会えない」そう熱く語る徳岡氏の前には、吉兆に野菜を卸している生産者の方がいました。
野菜に限らず、現代はスーパーでお金を出しさえすれば簡単に手に入ってしまいます。しかし、これからは、畑まで取りに行こうという気持ちが大事になり、それこそがスローフード運動の根底にあるものではないかと思わずにいられません。24時間365日オープンという便利さに馴らされた現代の生活。便利さ故に見失った物を取り戻す、それこそが、スローフード運動の本質ではないだろうか。
因みに、生産者の方が吉兆へ卸す野菜(大根)の数は毎日平均500本。その中で吉兆が選びに選んで購入する数10本。また、意外にも、捜し求めていた大地の香りのする有機の野菜は店のすぐ近くの農家で作られていたという。徳岡氏が「この野菜は自然でいて味が濃く、フレッシュな瑞々しさがある」と絶賛すれば、「やっぱり一番色良くて形のいい野菜を納めるのが誇り」と生産者の方。それぞれの妥協を許さない懸命さが、言わずと知れた日本を代表する料亭を支えているのだと、改めて実感しました。聞いている我々にも現場の様子が伝わってくる一時でした。
素材を吟味した季節感あふれる料理を出す吉兆ならではと、納得せざるを得ません。この拘りこそが、言わずと知れた日本を代表する料亭として、今尚我々日本人を魅了してやまないのでしょう。
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徳岡氏の専門家としての料理や素材の説明を交えながら実際にその味を試すという機会は、次世代の正しい味覚を育てるためだけでなく、日本の伝統食と質の良い材料の紹介、そして、何よりも京都の伝統料理や京料理を支える生産者の保護にも繋がる点で、とても重要で多大な影響を与えていると思います。
味の教育として、「普段は食にお金も時間も費やさず、手軽というだけでピザやハンバーガーばかり食べている若者に、一流の料理を食べる機会の実現」に大いなる期待を抱き、スピーチは終わりました。
これらに加えて、スローフード運動の要となっている食育プログラムについても、具体的な食品や飲み物について、専門家が試食と知識を与える本当のレッスンの機会を提供することで、多くの子供たち、教育の場に広がっていくよう、藤本会長とも意気投合していました。
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