第2回例会開催
日時:2004年03月10日 19時
場所:ワイン・洋酒専門店 ワインクレージ(京都市中京区西大路烏丸上ル)
参加者:15名
第2回例会 議題
1. 徳岡邦夫氏によるスピーチ 『このままでは何も食べられなくなる Part.1』
2. イタリアに開校した食科学大学の紹介
3. 「テッラ・マードレ(母なる大地)」というイベントへの参加について
4. 新入会員の紹介
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徳岡氏によるスピーチ
京都スローフード協会レンテッツァのオフィシャルアドバイザー、徳岡氏によるスピーチで幕を開けました。 タイトルは、『このままでは何も食べられなくなる Part.1』。
タイトルから想像する話を期待すると、何かとても危機的な状況説明があり、だからこうすべきだという指針みたいな話になるのかと思っていたのですが、気づいた時には「水」と「昆布」、「農業」、「教育」に至る様々な話題で盛り上がっていました。何とも不可思議。しかも、スピーチと言いつつも、そこは徳岡氏の人柄と会員の皆様の好奇心旺盛さが相まって、黙って聞いている人は殆どいません。結果、皆さんの発言・質問が筋書きのないストーリーを構成し、それがまた想像以上に面白い話し合いの場になっているのだと思います。その一部を以下に少し紹介したいと思います。
先ず、「水」に関しての興味深く、且つ、なるほどと納得するお話。ところで、皆さんは自分が日頃飲んでいる水がどういう性質のものかご存知でしょうか。「料理やワインに合わせて水を選ぶ」。欧米では大分前から習慣的に行われていることですが、日本ではまだまだ一般的に行われているとは言えない状況ですし、ここにきてようやくその効果が知られてきたように思います。
さて、WHOの飲料水水質ガイドラインによれば、日本の水の7割近くが軟水ということになります。硬水と軟水の違いについて詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。
日本料理に欠かすことの出来ない「だし」ですが、旨いだしには「硬水」と「軟水」のどちらが相応しいか。答えは「軟水」です。一般的にも、「軟水」は、炊飯や和風だしをとるなど日本料理全般、緑茶を入れるのに適し、「硬水」は、洋風だしをとったり、煮物や鍋物をするのに適していると言われています。
なるほど、徳岡氏の吉兆でも、だしを取る際には「軟水」使用しているとのことでしたが、そのようなお話を聞きつつも、一般常識として持ち合わせている知識が実生活に如何に溶け込んでないかということを改めて実感させられた気もします。徳岡氏曰く、"「硬水」で昆布だしをとった場合、充分に昆布の旨味を引出せず美味しくならない"とのこと。皆さんはご自宅で「軟水」「硬水」を使い分けていらっしゃるでしょうか。
ところで、この秋イタリアのトリノで行われるイベントに参加する場合、忽ち「水」の問題が浮上します。つまり、イタリアを始めヨーロッパは「硬水」が主流です。しかし、"旨いだしには「軟水」でなければ"という料理の本質、根幹に関わる部分においては、やはり妥協するわけにはいきません。水、若しくはだしをイタリアへ送る!?これだけの国際化、技術の恩恵を持ってしても、如何ともし難い問題として残ります。スローフードたる所以でしょうか。このイタリアでの顛末に関しては、次回例会以降随時アップしていきますので、乞うご期待!
徳岡氏はまた、「日本ではだしを取る際にごく一般的に使われている昆布や鰹節ですが、これらの乾物は、世界的にほとんど知られていない」と仰っていました。日本料理の何たるかを知ってもらうのと同様に、和風だし(ジャパニーズ・スープ)を支える昆布や鰹節、引いては、日本が誇る乾物についても、もっともっと知らしめたいということを熱く語っておられました。
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イタリアに開校した食科学大学の紹介
2004年10月、『食の大学:Universita di Scenze Gastronomiche(ガストロノミーの学術研究のための大学) 』が開校した。その目的とは?
『食の大学』は、スローフード協会の提案によって、エミリア・ロマーニャ州政府とビエモンテ州政府が賛同・後援して創設された私立大学です。その目的は、―食を文化的枠組みで再評価し、その情報を広く普及させて、人々の食に対する理解を深めてもらう―のもとに創設されました。つまり、飲食料品の生産から加工、流通に至る食に関するあらゆる事柄を様々な視点で学習する機会を提供し、食の世界で活躍する専門家を輩出することです。
『食の大学』は二つの学部「ガストロノミー学部」、「農生態学部」からなり、前者では、食に学問としての威厳を与え、食のジャーナリストから食品会社のマーケティング責任者まで、食の専門家を輩出することを目的とし、後者は、エコロジーに対する充分な知識と信念を学び、且つ、ガストロノミー文化の素養も見につけた農業従事者を養成することを目的としています。
さらに、既に食の分野で活躍しているプロフェッショナル向けの専門講座や、大学既卒者向けのガストロノミーの修士課程も開設します。また、これら全ての講座の講義は、大学教授、食材調達からレストラン経営に至るまでの一流の講師陣、質の高い食品製造者、テイスティングのプロが担当します。
人類の遺産である食の豊かさを守り、そして広めるための専門知識を備えたプロフェッショナルを輩出すること、それがこの『食の大学』の理念です。
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「サローネ・デルグスト(食の祭典)」というイベントへの参加について
「Salone Delgusto(サローネ・デルグスト)」が10月21日〜25日の予定で開催される。場所はトリノ。このイベントに、京都スローフード協会より徳岡氏(オフィシャルアドバイザー)の参加を検討してはどうか…。
”The biggest market exhibition of quality enogastronomy(食の祭典)”と銘打って開催されるこのイベントは、世界中から地域の味と生産者を集めて2年に1回行われるイベント。ワークショップの他に、世界の第一線で活躍するシェフを招聘して、地域の味を披露する場でもあります。毎回10人程度のシェフが招待されますが、日本料理としては未だ誰も参加していません。そこで、日本料理代表として、徳岡氏の参加を推薦、応援したいと考え、本日の例会で皆さんの承認を得るべく議題とした次第です。
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「テッラ・マードレ(母なる大地)」というイベントへの参加について
「Terra Madre(テッラ・マードレ)」が10月20日〜23日の予定で開催される。場所はトリノ。このイベントに、京都スローフード協会より長澤氏の参加を検討してはどうか…。
”World Meeting of Food Communities(食のコミュニティーの国境を越えた出会い)”と銘打って開催されるこのイベントは、世界から約5,000人もの人たちが集まります。彼らは原材料の生産から最終製品のプロモーション、消費者への告知まで、全員が食品分野で活動する専門家です。この食品に関するあらゆる専門家を結びつける見えない糸の役目、それがテッラ・マードレです。農業、漁業、飼育、採集に携わる人たちの知恵や経験を存分に披露し、地域で編み出したものでありながら他の場所でも応用できる解決方法を分かち合うことが可能になるでしょう。
このイベントへ長澤氏の参加を、徳岡氏同様推薦、応援する件についても議題としました。
両イベントへの参加に関しても、例会に参加して頂いた会員の皆さんからは満場一致で賛成を頂きました。この結果を受けて、この後、4月17日に行われるスローフード連絡協議会にて報告し、最終決定を待つことになりました。次回例会には、その結果報告を兼ねて、更に詳細についてご連絡できるかと思っています。
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