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無農薬野菜収穫&吉兆風バーベキュー 2005/6/26
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2005/8/1公開
TEXT & PHOTO by Chiiho SANO
安全なのに売れない…

 有機栽培に変更してから4〜5年後、漸く見た目は慣行農業に近い作物が生産できるようになりました。少し自信めいた気持ちも出始めた折、次なる問題にぶち当たりました。それは、必死の思いで作った有機野菜の売行きが悪いことでした。有機野菜が欲しいとわざわざ買いに来てくれるお客さんの数は徐々に増えたものの、リピート率が悪く、販売量が伸びない時期が続きました。今度は葛藤ではなく、日々自問自答の連続でした。

安全で美味しい野菜を

 この疑問を解消してくれたのは、他でもない消費者の味に対する正直な態度でした。「野菜嫌いの子供や旦那が長澤農園の野菜だけは美味しそうに食べる」。つまり、野菜が嫌いなのは「美味しくないから」であって、「美味しいものは野菜であっても食べる」ということです。今思えば実に簡単なことですが、その時は目から鱗が落ちた心境でした。
 また、「食物アレルギーを持つからといって、不味い野菜しか食べられないのは理不尽です。色々なものが食べられないからこそ、食べられるものくらいは美味しいと思って食べて欲しい」。「野菜は薬や健康食品ではなく食物。食物は美味しくあらねば。しかし、安全に」

吉兆とのレベルの差に愕然
左:徳岡氏、右:長澤氏

 有機栽培に変更してから10年程度経った頃から、それなりの生産物が収穫できるようになり、京都中央市場に出荷できたことで、それなりに自信がつきました。そして、2000年夏に、京都嵐山吉兆の徳岡氏より取引の話があり、一流料亭にも納品できるほどになりました。これは私にとって大いなる自信になったのですが、2003年夏、徳岡氏より吉兆に招待されたことで一気にその自信を打ち砕かれました。
 吉兆で頂いた料理は、一つ一つがとても美味しく、世の中にはこんなに素晴らしく美味しいものがあるのかと、驚愕の連続でした。改めて吉兆の素晴らしさを思い知ると同時に生涯忘れられない経験になりました。 しかし、吉兆の料理の素晴らしさに対し、自身が納品したものはまだまだその域に達していないことを改めて感じた次第です。その吉兆での衝撃的な出来事が、今尚刺激となり目標となっているのは言うまでもありません。

■長澤氏について
収穫した野菜と一緒に
2004年、イタリアのトリノでテッラ・マードレという生産者会議が始めて開催された。そこに、日本の生産者を代表して、長澤氏が招待された。

 世界のあらゆる国で農業に従事している方が参加し、大いに意義のある大会となった。
オープニングには、イギリスのチャールズ皇太子が開会のスピーチを行ったほど注目度が高かったこの大会。
長澤氏は、色々な発表テーマがある中で、日本での有機栽培の現状と問題点などについて、20分程度のプレゼンを行った。
プレゼン当日には、同時開催のサローネ・デル・グストに招聘を受けていた嵐山吉兆・徳岡氏も応援に駆けつけた。

<参考>
Tera Madre(生産者会議)
Salone Del Gusto(サローネ・デル・グスト)
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長澤農園

栽培作物:京野菜
所有耕作面積:95a
雨よけハウス:9a